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ビ・シフロール、ミラペックスLA(プラミペキソール)の作用機序
ビ・シフロール、ミラペックスLAはD2受容体刺激薬と呼ばれ、パーキンソン病によく見られる症状である手足のふるえや筋肉のこわばりを改善する薬である。
パーキンソン病を知る上で理解をしておきたいのが、ドパミンと呼ばれる神経伝達物質である。実はドパミンは体を動かすシグナルを送る役割を果たしているのだ。
パーキンソン病患者ではこの体を動かす作用を持つドパミンが減少した状態になっている。そのため、パーキンソン病では運動機能障害が起こり、体を上手く動かせなくなってしまうのである。
通常、ドパミンはD2受容体に作用する。そして、このD2受容体がドパミンによって刺激されることにより、体をスムーズに動かすことが可能になるのだ。
このように考えると、D2受容体を刺激さえしてしまえば、情報伝達が正常になりパーキンソン病の症状を改善することが分かる。ビ・シフロール、ミラペックスLAはD2受容体を刺激することによってパーキンソン病の症状を改善するのだ。
◎ビ・シフロール、ミラペックスLA(プラミペキソール)の特徴
・非麦角系D2受容体刺激薬
D2受容体刺激薬は構造式によって2種類に分類することができる。麦角系と非麦角系だ。ビ・シフロール、ミラペックスLAは非麦角系のD2受容体刺激薬に属する。
D2受容体刺激薬では悪心や嘔吐、幻覚、妄想などの副作用は共通して見られが、麦角系と非麦角系では副作用が異なる。ビ・シフロール、ミラペックスLAなどの非麦角系D2受容体刺激薬では突発的な睡眠、傾眠が見られるのが特徴だ。そのため、ビ・シフロール、ミラペックスLAを始めとする非麦角系D2受容体刺激薬を服用している場合は車の運転や危険を伴う機械の操作、高所での作業をさける必要がある。
・1日1回投与が可能
ミラペックスLAは1日1回投与が可能なパーキンソン病治療薬である。これはミラペックスLAは徐放錠のため、薬の有効成分が徐々に溶け出すように設計されているからだ。
一方で同じ成分であるビ・シフロールは速放錠である。そのため、効果が現れるのも早いが体から消失するのも早いので、1日2-3回の服用が必要である。
・ビ・シフロールにはレストレスレッグス症候群の適応がある
ビ・シフロールはレストレスレッグス症候群血症の適応を持つ薬だ。レストレスレッグス症候群とは脚を動かしたいという強烈な欲求が現れ、むずむずしたような異常な感覚に襲われる病気だ。
これらの症状は睡眠障害の原因の1つに挙げられ日常生活に支障をきたすことがある。この脚がむずむずする嫌な感覚を改善するのがビ・シフロールなのだ。
ちなみに同じ成分である、ミラペックスLAにはレストレスレッグス症候群に対する適応はない。
・腎排泄型の薬剤
ビ・シフロール、ミラペックスLAは腎臓から排泄される。そのため、腎機能が低下している患者や高齢者に使用する場合は注意が必要である。(週刊 薬剤師日記)
ペルマックス(ペルゴリド)の作用機序・特徴
◎ペルマックス(ペルゴリド)の作用機序
ペルマックス(ペルゴリド)はD2受容体刺激薬と呼ばれ、パーキンソン病によく見られる症状である手足のふるえや筋肉のこわばりを改善する薬である。
パーキンソン病を知る上で理解をしておきたいのが、ドパミンと呼ばれる神経伝達物質である。実はドパミンは体を動かすシグナルを送る役割を果たしているのだ。
パーキンソン病患者ではこの体を動かす作用を持つドパミンが減少した状態になっている。そのため、パーキンソン病では運動機能障害が起こり、体を上手く動かせなくなってしまうのである。
通常、ドパミンはD2受容体に作用する。そして、このD2受容体がドパミンによって刺激されることにより、体をスムーズに動かすことが可能になるのだ。
このように考えると、D2受容体を刺激さえしてしまえば、情報伝達が正常になりパーキンソン病の症状を改善することが分かる。ペルマックス(ペルゴリド)はD2受容体を刺激することによってパーキンソン病の症状を改善するのだ。
◎ペルマックス(ペルゴリド)の特徴
・麦角系D2受容体刺激薬
D2受容体刺激薬は構造式によって2種類に分類することができる。麦角系と非麦角系だ。ペルマックス(ペルゴリド)は麦角系のD2受容体刺激薬に属する。
D2受容体刺激薬では悪心や嘔吐、幻覚、妄想などの副作用は共通して見られが、麦角系と非麦角系では副作用が異なる。ペルマックス(ペルゴリド)などの麦角系D2受容体刺激薬では心臓弁膜症と肺線維症が見られるのが特徴だ。
心臓弁膜症は弁が正しく機能しない症状が出る。肺線維症は呼吸機能の低下による息切れや痰を伴わない咳が特徴である。
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・L-ドパ(レボドパ)との併用が必須
L-ドパ(レボドパ)は速攻性があり作用も強力であるが、効果が持続しないという欠点がある。一方で、D2受容体刺激薬は効果はL-ドパ(レボドパ)よりも控えめだが持続性がある。
そのため、D2受容体刺激薬はL-ドパ(レボドパ)と併用することにより症状を安定化することができるのだ。特にペルマックス(ペルゴリド)はL-ドパ(レボドパ)との併用が必須となっているD2受容体刺激薬である。
・肝代謝型の薬剤
ペルマックス(ペルゴリド)は肝臓で代謝を受けるため、肝機能が低下している患者に使用する場合は注意が必要である。(週刊 薬剤師日記)
山百合の里
私の住んでいるところは、「百合丘」という住所(地名)なのに、何故か「百合ケ丘」と「ケ」がつくものがほとんどだ。百合ケ丘駅、百合ケ丘小学校、百合ヶ丘駅前郵便局、横浜銀行百合ヶ丘支店、スーパー三和百合ヶ丘店、ゆりストア百合ヶ丘本店など。百合丘は、約100人の地主が団地の開発に土地を提供したことと、この団地開発以前には当地には山百合の花が咲き乱れていたことをかけて名づけられたそうだ。
また、麻生区(あそうではなく、あさおく)とは、川崎市を構成する7区のうちのひとつで、最も西にあり秘境とも言われる区である。数々の大人の事情を抱えていることで有名である(後述)。しかも、あの方の秘密基地でもある。
麻生区は大人の事情を多く持っていることで有名である。
読み方が「あさお」
何故か「あそう」ではなく「あさお」である。これはローゼン麻生氏が新百合ヶ丘を作ったときに記念で麻生区となったのだが、読み方を「あそう」にすると公職選挙法だとかそこらへんの大人の事情で逮捕されてしまうので、読み方を「あさお」にしたのである。しかし、「あそう」だと思っている人が多いのも事実である。余談だが鎌倉時代には既に「麻生」という地名があったらしいので、ローゼン麻生氏は鎌倉時代から生きていたということである。
新百合ヶ丘駅の設置
かつてこの地区に「新百合ヶ丘」という駅は存在していなかったが、大人の事情で小田急多摩線を建設することになり、本来喜多見駅から多摩線を分離する予定だったのだが、これも大人の事情で百合ヶ丘駅から分岐することになった。しかしまたもや大
人の事情で新百合ヶ丘駅を作り、そこから分岐することになったのである。一大ターミナル駅になる予定だった喜多見駅周辺住民と百合ヶ丘駅周辺住民は涙目である。(Wikipediaより抜粋)
私は当地に来てまだ10年ほどだから、大人の事情など知る由もないが読み方が違うのもそれなりに物語があるのですね。
我が家もベランダには、ただの綺麗な「ゆり」が咲いています。
ニュープロパッチ(ロチゴチン)の作用機序・特徴
◎ニュープロパッチ(ロチゴチン)の作用機序
ニュープロパッチ(ロチゴチン)はD2受容体刺激薬と呼ばれ、パーキンソン病によく見られる症状である手足のふるえや筋肉のこわばりを改善する薬である。
パーキンソン病を知る上で理解をしておきたいのが、ドパミンと呼ばれる神経伝達物質である。実はドパミンは体を動かすシグナルを送る役割を果たしているのだ。
パーキンソン病患者ではこの体を動かす作用を持つドパミンが減少した状態になっている。そのため、パーキンソン病では運動機能障害が起こり、体を上手く動かせなくなってしまうのである。
通常、ドパミンはD2受容体に作用する。そして、このD2受容体がドパミンによって刺激されることにより、体をスムーズに動かすことが可能になるのだ。
このように考えると、D2受容体を刺激さえしてしまえば、情報伝達が正常になりパーキンソン病の症状を改善することが分かる。ニュープロパッチ(ロチゴチン)はD2受容体を刺激することによってパーキンソン病の症状を改善するのだ。
◎ニュープロパッチ(ロチゴチン)の特徴
・非麦角系D2受容体刺激薬
D2受容体刺激薬は構造式によって2種類に分類することができる。麦角系と非麦角系だ。ニュープロパッチ(ロチゴチン)は非麦角系のD2受容体刺激薬に属する。
D2受容体刺激薬では悪心や嘔吐、幻覚、妄想などの副作用は共通して見られが、麦角系と非麦角系では副作用が異なる。ニュープロパッチ(ロチゴチン)などの非麦角系D2受容体刺激薬では突発的な睡眠、傾眠が見られるのが特徴だ。
そのため、ニュープロパッチ(ロチゴチン)を始めとする非麦角系D2受容体刺激薬を服用している場合は車の運転や危険を伴う機械の操作、高所での作業をさける必要がある。
・日本初、貼付剤のパーキンソン病治療薬
ニュープロパッチ(ロチゴチン)は日本初の貼付剤のパーキンソン病治療薬で1日1回の貼付で効果を発揮する。貼付剤を使う利点は血中濃度を一定に保てることだ。その結果、効果が安定して得られるのである。
一方で飲み薬は代謝・排泄されていく過程で、血液中濃度が1日の間で変動してしまうことがあるため、貼付剤のこの特徴は大きな利点であると言える。
パーキンソン病は症状が進行すると薬の効果が夜中や早朝に切れてしまうことによって、寝返りをうてないことによる寝不足、トイレに行くことが困難になるなど患者のQOLが低下する。
そのため、 ニュープロパッチ(ロチゴチン)のような1日1回の貼付で24時間が血中濃度が一定に保たれることには大きな意義があるのである。
・ニュープロパッチ(ロチゴチン)にはレストレスレッグス症候群の適応がある
ニュープロパッチ(ロチゴチン)はレストレスレッグス症候群血症の適応を持つ薬だ。レストレスレッグス症候群とは脚を動かしたいという強烈な欲求が現れ、むずむずしたような異常な感覚に襲われる病気だ。
これらの症状は睡眠障害の原因の1つに挙げられ日常生活に支障をきたすことがある。この脚がむずむずする嫌な感覚を改善するのがニュープロパッチ(ロチゴチン)なのである。
「リストマニア」が教える、有効的なTo Doリストのつくり方
梅雨と不調とわたし…この時期の体調不良をどうにかしたい!
関東も梅雨入りしました。雨の季節にはねずみ色の空が広がる日が多くて、気分も落ち込みがちの方もいらっしゃるかもしれないですね。わたしの周りに気圧の関係で体調がすぐれない人もちらほらいます。医師に聞いたところ、どうやら梅雨の時期には体調不良を感じる人が多い感じがするようです。梅雨と自律神経、梅雨と体調不良の気になることを医師に聞きました。
監修:Doctors Me 医師
気持ちのいい新緑の季節から一転、梅雨の時期になると雨の日が続きますね。どんより鉛色の空とともに気持ち的に憂鬱な日々が続くと、身体までダルく感じてしまうこともあるかもしれません。
今回のテーマは「梅雨と体調不良の関係について」です。梅雨に起こる体調不良に関する質問を医師に解説していただきました。
Q.梅雨で体調が悪くなる人は多いものですか?
一概に答えることはできない質問ですね。
とはいえ、日々診察している医師の立場から見ていると、梅雨の季節には確かにだるい、眠い、反対に眠れない、気持ちが落ち込むなどの症状を訴える患者さんは増えると感じます。
特に、花粉症がやっと落ち着いてすっきり暮らせると思ったら今度は梅雨時の体調不良に悩まされる、といった方も増えているように感じます。
Q.梅雨は自律神経が乱れてしまう人が多いって本当ですか?
梅雨の時期には雨の日が多くなるほか、気圧が下がったり急に蒸し暑くなったり寒くなったり、気候も大きく変化することがあるため、身体をうまく外部環境に適応させることが出来ず、その結果、自律神経が乱れやすくなり、不調を感じることがあります。
≪主に現れる症状≫
・冷え性
・肩こり
・ぼーっとする
・頭痛
・むくみ
・睡眠障害
自律神経のバランスを整えるためには、基本的な生活習慣をしっかり整えていくことが大切です。まずは下記のようなことに気をつけましょう。
・睡眠環境を整え、規則的で質の高い睡眠を大切にする
・暴飲暴食を避け、野菜なども取り入れたバランスの良い食生活を意識する
・軽い運動をしする
・シャワーではなく湯船につかり、芯まで身体を温める
・薄着はしない など
Q.梅雨の鬱々とした気持ちを解消する方法ありますか?
梅雨による精神面での不調も身体の不調と同様、目まぐるしく変わる環境の変化にうまくついていけないことによるものです。
この時期の不調は、ある程度仕方のないものと自分をごまかすこともひとつの手段です。
・あまり自分を追い込まずゆったり生活する
・気分転換に血液の循環を良くするスポーツなどを行う
上記のようなことをするとむくみやイライラ感も取れる可能性があり、一石二鳥といえるかもしれません。
Q.梅雨寒ではどんな体調不良が起こりがちですか?
梅雨寒(つゆざむ)と呼ばれる梅雨の時期に気温が急に下がる状態では、特に急激に身体が冷える状態や気圧の低さが身体に負担を与えます。それに伴い、喘息の発作が出たり、リウマチなどの疾患をお持ちの方は痛みが強まったりすることがあります。
また、特に持病がなくても、気温や気圧の低下が体調不良を引き起こします。
梅雨寒による体調不良の予防として、温度変化が身体に影響を与えすぎないように調整しましょう。一枚脱ぎ着できるカーディガンなどの衣類を持ち歩くようにすることがおすすめです。
Q.梅雨時の食中毒対策はありますか?
梅雨時に食中毒にならないためには、下記のことを気をつけましょう。
・調理器具を熱湯などで消毒して清潔に保つ
・生ものは控えめにし、肉類なども火をよく通して食べる
・食品を長期間保存せず、こまめに冷凍したり冷蔵庫に入れる
また、食中毒にかからないように体調を整え、免疫力を保っておくことも大切です。
もし食中毒が疑われる場合は早めに医療機関を受診し、原因をはっきりさせるとともに、安静や十分な水分補給に気を付けるようにしましょう。
医師からのアドバイス
梅雨時はどうしても体調を崩しやすいものですが、ちょっとした心がけでトラブルを最小限に抑えることができます。
少しでも明るい気持ちで過ごせるよう、体調管理に努めましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
※この記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
iPS他家移植 慎重な手続きで前進を
患者自身の細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り、ここから治療用の細胞・組織を作って患者に移植する。拒絶反応を回避できる点でiPS細胞利用の利点とされてきた方法である。
ただし、そこには弱点がある。一人一人の患者にあわせてオーダーメードのiPS細胞を作るには膨大な手間ひまやコストがかかり、品質管理も難しい。治療のタイミングを逃してしまう場合もあるという点だ。
そうした自家移植の弱点を克服しようと京都大の山中伸弥教授らが進めてきたのが他人の細胞を備蓄して使う「iPS細胞ストック」だ。理化学研究所や神戸市立医療センター中央市民病院などは来年前半、これを利用した「他家(たか)移植」の臨床研究を始める計画を公表した。
iPS細胞を使った再生医療の実現に一歩近づくと期待される一方、こうした試みは始まったばかりである。iPS細胞ストックも構築途上にあり、一部の人に対応できるだけだ。安全性にも有効性にも未知の部分が残されており、今後の手続きを慎重に進めてもらいたい。
理研チームは2014年9月、目の網膜の障害で視野が暗くなったりゆがんだりする加齢黄斑変性の患者に、患者自身の皮膚からiPS細胞を経て作った網膜色素上皮細胞を移植した。これを皮切りに複数の患者への臨床研究が計画されていたが、2例目で患者のiPS細胞に遺伝子変異が見つかり、移植を見送った。
今回の計画では京都大からiPS細胞ストックの提供を受けて理研が網膜細胞に変化させ、中央市民病院と大阪大で加齢黄斑変性の患者に移植する。自家移植と違い、移植までの待機時間が短縮でき、コストも大幅に削減できるという。
ただ、iPS細胞を利用した移植には細胞ががん化する懸念が残されている。14年11月に施行された再生医療安全性確保法の対象でもあり、実施の可否は、今後、実施施設の委員会や厚生労働省の部会の審査などを経て決定される。こうした研究は、今後、他の疾患にも広がる可能性があり、最初の症例として、何に重点をおいてチェックすることが妥当か、ポイントを洗い出すことにも留意してほしい。
患者への移植とは別に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病など難病患者のiPS細胞を使って病気を細胞レベルで再現し、原因究明につなげたり、新薬の開発に役立てたりする研究も進められている。移植による再生医療より広がりが大きい分野だと考えられ、こちらにも力を入れてほしい。難病克服にはiPS細胞以外の治療法開発も重要で、予算の配分や研究体制のバランスを取ることも必要だ。 (毎日新聞2016年6月8日 東京朝刊社説)
iPS細胞
目の難病、移植再開へ 理研、京大・阪大などと
理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは6日、神戸市内で記者会見し、さまざまな組織に変化する能力があるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞を目の難病患者に移植する臨床研究を再開すると発表した。今回から患者以外の人の細胞から作ったiPS細胞を使う。来年前半の移植を目指す。
理研は、京都大iPS細胞研究所、大阪大、神戸市立医療センター中央市民病院と協定を締結。京大が作製したiPS細胞を理研が移植用の網膜色素上皮細胞に分化させる。阪大と市民病院は、悪化すると失明の恐れがある「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の患者に移植する。
理研などは2014年9月、患者自身のiPS細胞から作った細胞シートを網膜に移植する手術を世界で初めて実施。2例目として行う予定だった手術は患者のiPS細胞に遺伝子変異が見つかり、移植を見送っていた。
患者自身の細胞からiPS細胞を作ると安全性の確認などにコストと時間がかかるのが課題だった。他人由来のiPS細胞を備蓄して安全性を確認して利用すれば、約11カ月かかっていた移植までの待機時間も1カ月程度に短縮でき、手術1回当たり億単位に上っていたコストも圧縮できるという。拒絶反応が起きにくい型の提供者の血液細胞からiPS細胞を作る。また、今回からシート状にした細胞の移植に加え、細胞が入った液を目に注入する方法も行う。
記者会見した高橋リーダーは「将来的に1000万円を切る可能性もある」と話した。京大iPS研の山中伸弥所長は「移植する細胞の安全性を徹底させたい」と語った。大阪大の澤芳樹教授は「大学を挙げてプロジェクトを応援したい」と述べた。【畠山哲郎、大久保昂】
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加齢黄斑変性
網膜の中心部の「黄斑」と呼ばれる部分に異常が起き、視野の真ん中がゆがんだり暗くなったりする病気。悪化すると失明につながる。老化に伴って、網膜の内部で視細胞を維持する「色素上皮」の機能が低下して起こる。現行の治療は新たに血管ができるのを防ぐ薬を注射するなど対症療法のため、再生医療に期待がかかっている。国内に約70万人の患者がいると推定される。