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飲酒後の腕枕に注意! 神経圧迫で完全麻痺も しびれ取れない状態に

  長時間にわたって腕枕で寝ていて、目覚めたときに腕がしびれる。手首がだらんとなることも。「腕を走る橈骨(とうこつ)神経が圧迫されて起こる橈骨神経麻痺(まひ)です。整形外科で適切な診断と治療を」と、川崎市川崎病院(神奈川県)の堀内行雄院長(整形外科)は勧める。
人への腕枕も原因に

 橈骨神経は、手首を反らす、指を伸ばすなどの動きと、親指から中指の手の甲側の触った感覚や痛み、熱さや冷たさなども感じる役目をしている。その神経が一定時間圧迫されると麻痺が起こる。例えば、酒に酔って腕枕で寝る、他人のために腕枕をする、電車の座席の隅に寄り掛かって寝る―などの後だ。

 検査では、橈骨神経を電気で刺激して反応する波形が見られるかを確かめる。また筋肉に直接針を刺して、神経の信号が届いているかも調べる。

 「治療の基本は、安静にしてビタミンB12や消炎鎮痛薬を服用してもらいます。圧迫の程度が軽い場合は、3週間ほどで症状は改善されます」(堀内院長)
装具での治療も

 ところが、圧迫が長時間続くと橈骨神経の線維を変形させる。そうなると回復までに時間がかかり、治るまでに半年以上も要することがある。治療では、固定する装具を付けてだらんとした手首を支える。装具は添え木のようなものを自分で調達してもよいが、やはり自分の手に合った装具の方が使いやすい。

 手首をそのまま放置しておくと関節が硬くなるので、予防としてリハビリを行う。手首や指を挙げる動作を1日数回行うとよいという。

 橈骨神経麻痺の予防では、特に酒を飲んだときは腕枕で寝ないこと。堀内院長は「人や圧迫の強弱にもよりますが、15分から20分ぐらいで麻痺を起こし、1時間も続くと完全に麻痺することがあります。『少しの時間の腕枕なら大丈夫』などと高をくくらないように」とアドバイスしている。