メネシット配合錠の副作用と効果とは?注意すべき飲み合わせは?

パーキンソン病の症状を抑えるために脳内にドパミンを供給することは効果的です。
しかしドパミン血液脳関門を通過できないため服用しても効果はありません。

血液脳関門:blood-brain barrier(BBB)
脳内に有害な物質が入らないように制限するバリアー機能。脳に必要な糖やアミノ酸などは脳へ通過できる。ただし通過できる物質を厳密に区別している訳ではないので脳には不要なニコチンやアルコールなども通してしまう。

そこでメネシット配合錠では血液脳関門を通過できるレボドパという成分を含んでいます。
レボドパは血液脳関門を通過し、脳内でレボドパ脱炭酸酵素によってドパミンへ代謝されます。

これで大丈夫と思いきやここでも問題があります。
それはレボドパ脱炭酸酵素は脳内だけではなく腎臓、肝臓、小腸などにも存在しているのです。

そのため投与されたレボドパが血液脳関門に到達する前にドパミンに代謝されてしまうため脳内に移行するレボドパの量は内服した量の0.05%~0.1%といわれています。
その結果レボドパの大量投与が必要になってくるのですが、そうすると悪心や嘔吐、食不振などの消化器症状の副作用が多発してしまいます。

この問題を解決してくれるのがもう1つの成分であるカルビドパです。
カルビドパはレボドパ脱炭酸酵素阻害薬の1つです。この作用により脱炭酸酵素がレボドパをドパミンに代謝されるのを防ぎます。

それでは脳内のレボドパの量は増えなくないですか?

すべての脱炭酸酵素を阻害してしまうと脳内のドパミンは増えません。
でもカルビドパは脳を守っている血液脳関門を通過できないので脳内へ移行したレボドパには影響を与えないのです。

レボドパにカルビドパを配合することでレボドパの投与量を1/4~1/5に減量することができた。またレボドパ単独より効果発現が早いという報告がある。

メネシット配合錠の効能・効果

それではメネシット配合錠の効果について確認しよう。

【効能・効果】
パーキンソン病パーキンソン症候群

 
パーキンソン病パーキンソン症候群と名前が似ていますが違うのですか?

2つの病態の違いはどうしてドパミンが不足しているのかという点です。

以下にドパミンが不足する原因を簡単にまとめてみます。

パーキンソン病:脳内のドパミン神経細胞(ドパミンを放出する細胞)の欠落
パーキンソン病症候群:脳血管障害、薬の副作用、外傷性

結果としてどちらもドパミンが不足しているので手足のふるえ、歩行困難などの症状がでます。

メネシット配合錠の用法・用量

次にメネシット配合錠の飲み方について確認するよ。
レボドパ未服用患者:
通常成人に対し、レボドパ量として1回100~125mg、1日100~300mg経口投与よりはじめ、毎日又は隔日にレボドパ量として100~125mgずつ増量し、最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3 回)とする。
なお、症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1500mm を超えないこととする。

 レボドパ既服用患者:
通常成人に対し、レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回 量をきめ、1日3回に分けて経口投与する。以後、症状により適宜増減して最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として 1 回 200~250mg、1日3回)とするが、レボドパ量として1日1500mm を超えないこととする。

レボドパの服用の有無によって用法・用量が異なるので今までの服用歴はきちんと担当医に伝えましょう。また服用方法ですが速やかに吸収部位の小腸まで薬を届けるために多めの水(200ml以上)で服用しましょう。

服用する際は水以外でも問題ないのですが有効成分であるレボドパは牛乳やヨーグルト、バナナ、アミノ酸を含むスポーツ飲料、ビタミンB6と一緒に服用すると吸収が悪くなる可能性があるので同時に服用するの避けましょう。

メネシット配合錠の副作用

メネシット配合錠で気を付けるべき副作用はありますか?

メネシット配合錠は脱炭酸酵素であるカルビドパが配合されてある程度副作用は軽減されていますが悪心、食欲不振、嘔気などの消化器症状、不随運動などが報告されています。
これら以外に頻度は下がりますが幻覚、衝動制御障害(ギャンブル、食事などに夢中になる)、突発性睡眠も報告されています。

また何か副作用が生じて急に服薬を中止したり、減量したりすると悪性症候群という副作用が発現する可能性があります。この症状は全身の筋肉の硬直と発汗、40℃近い発熱が特徴です。悪性症候群は脱水状態や体調がすぐれない時に起こりやすいです。

服用量は体調が悪い時でも自己判断せず、担当医に相談しましょう。