ペルマックス(ペルゴリド)の作用機序・特徴

◎ペルマックス(ペルゴリド)の作用機序

ペルマックス(ペルゴリド)はD2受容体刺激薬と呼ばれ、パーキンソン病によく見られる症状である手足のふるえや筋肉のこわばりを改善する薬である。

パーキンソン病を知る上で理解をしておきたいのが、ドパミンと呼ばれる神経伝達物質である。実はドパミンは体を動かすシグナルを送る役割を果たしているのだ。

パーキンソン病患者ではこの体を動かす作用を持つドパミンが減少した状態になっている。そのため、パーキンソン病では運動機能障害が起こり、体を上手く動かせなくなってしまうのである。

通常、ドパミンはD2受容体に作用する。そして、このD2受容体がドパミンによって刺激されることにより、体をスムーズに動かすことが可能になるのだ。

このように考えると、D2受容体を刺激さえしてしまえば、情報伝達が正常になりパーキンソン病の症状を改善することが分かる。ペルマックス(ペルゴリド)はD2受容体を刺激することによってパーキンソン病の症状を改善するのだ。

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◎ペルマックス(ペルゴリド)の特徴
・麦角系D2受容体刺激薬

D2受容体刺激薬は構造式によって2種類に分類することができる。麦角系と非麦角系だ。ペルマックス(ペルゴリド)は麦角系のD2受容体刺激薬に属する。

D2受容体刺激薬では悪心や嘔吐、幻覚、妄想などの副作用は共通して見られが、麦角系と非麦角系では副作用が異なる。ペルマックス(ペルゴリド)などの麦角系D2受容体刺激薬では心臓弁膜症と肺線維症が見られるのが特徴だ。

心臓弁膜症は弁が正しく機能しない症状が出る。肺線維症は呼吸機能の低下による息切れや痰を伴わない咳が特徴である。
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・L-ドパ(レボドパ)との併用が必須

L-ドパ(レボドパ)は速攻性があり作用も強力であるが、効果が持続しないという欠点がある。一方で、D2受容体刺激薬は効果はL-ドパ(レボドパ)よりも控えめだが持続性がある。

そのため、D2受容体刺激薬はL-ドパ(レボドパ)と併用することにより症状を安定化することができるのだ。特にペルマックス(ペルゴリド)はL-ドパ(レボドパ)との併用が必須となっているD2受容体刺激薬である。

・肝代謝型の薬剤

ペルマックス(ペルゴリド)は肝臓で代謝を受けるため、肝機能が低下している患者に使用する場合は注意が必要である。(週刊 薬剤師日記)